29.第六感
2011年1月8日(土)
またまた年が明けて人間さんの世界はお正月。年末から2週間ごぶさただったけど、ようやく今日、SSさん、SKさんがやってきた。今年は変な人参をお土産に持ってきてくれたヨ。なんだか、赤い色のほそーい人参だ。まあ、仕方ないから食べてやるかナ。
−訳者注:ご想像通り、金時ニンジンです。右の写真ははニンジンを食べてるところです。
顔がひん曲がってしまっています。嬉しいのやら?どうやら?どうなんでしょうかね。
2011年2月26日(土)
今日は僕の誕生日だヨ。土曜日なのでみんな来てくれた。最近、ずーと雪模様だったけど、ようやく今日は乗馬できたんだ。僕も久々、良い運動になったヨ。
SSさんも初めてSYさんの指導の前で乗馬した。いろいろとアドバイスを受けながら、楽しく乗馬できたようだったヨ。ニコニコしていたもの。僕も、SSさんのレベルに合わせてあげたんだヨ。
−訳者注:マイヨジョーヌも22歳になりました。
相変わらず元気いっぱいです。病気もせず、何の心配もありません。ありがたいことです。
2011年3月11日(金)
お昼の食事が済んでそろそろ夕飼いが始まるのかなと思っていたら、なんだか胸騒ぎがしてきた。おとなりさんもなんだかそわそわしている。とかなんとか考えていたら、いきなり厩舎がグラグラ揺れ始めたんだよ。「ジシンだぁ〜っ!」。僕は厩舎がどうにかなるんじゃないかと思ってビックリして声を上げたんだけど、、、揺れが終わったと思ったら、クラブのスタッフが走り回ってる。いつもより激しく、長い時間揺れてたネ。初めての経験だヨ。
−訳者注:東日本大震災。訳者は会社から自宅まで、約13kmを徒歩で帰りました。しめて2時間半くらい。あとで皆さんの話を聞くと、まだ短い方でしたね。ラッキーでした。途中、はるか前方に市原の石油コンビナートが燃えているのが見えました。ワンセグTVで見た津波も大規模で、大変なことになったと暗澹たる思いで帰宅しました。マイヨジョーヌのいる千葉市は震度6弱。相当揺れたのでしょう。馬の厩舎は約2m×3m四方のブロック構造ですから、鉄筋さえ入っていれば崩れることはないと思っていました。夜には、乗馬クラブから電話でマイヨジョーヌは別状なく、元気にしているという連絡を頂き、安心できました。気配り、配慮に感謝です。
後日、当日クラブに居合わせた方に聞いたところによると、地震が起こる前、馬たちが一斉に騒ぎ始めて、どうしたことかと思っているうちに地震が起こったとの事。動物的勘というものがあるのでしょうか。先行するP波に気がついたのでしょうか。五感を超えた、所謂、「第六感」ってやつがあるのでしょうか!
2011年3月12日(土)
SSさん、SKさんが来てくれた。今日は土曜日なのであたりまえだけど、やってきた二人は目をまん丸にして僕に話しかけてきた。
「マヨちゃん、昨日は大丈夫だったの?クラブから大丈夫って連絡あったけど、あなたのことだから、暴れてどこかに怪我しているんじゃないかと顔を見るまで気が気じゃなかったわよ。あ〜よかった!」
−訳者注:自宅から乗馬クラブまでは車で、距離にして30kmくらいありますが、高速道路が完全にストップしたため、普通なら40分でいけるところを一般道を通って2時間半以上かかりました。訳者の自宅は熱帯魚の水槽があふれて居間のフローリングが半分水浸し、食器が少々落ちて割れた程度で済みました。しかし、SYさんは会社の設備が壊れて、後片付けでこられず。こんな日でも、乗馬をしている人がいるのには驚きました。訳者たちは馬の顔を見ただけで安心して手入れをして帰宅でした。途中の道では、道路が液状化して、あちこちの道路に泥が山積みになっていました。
2011年3月26日(土)
お隣の厩舎に新しい仲間が入ってきたよ。名前はメイくん。もう一頭はプロくんで、ちょっと離れた厩舎だ。仙台からやってきたんだって。なんだか、目がおびえているようだったけど、大丈夫かなあ。
−訳者注:乗馬クラブの仙台の事業所で震災に遭遇して助かった馬たちだそうです。仙台の事業所が完全につぶれてしまったので、本社スタッフがかけつけて助けたそうです。救助の様子を聞きましたが、相当な難作業だったようで、関係者のご苦労には頭がさがります。犠牲になったお馬さんのご冥福を祈りたいと思います。
2011年5月8日(日)
SSさん、SKさん先週クラブに来なかったけど、今日やっときてくれたヨ。懐かしい北海道の牧場の牧草をもって来てくれた。うれしいなぁ。
−訳者注:ゴールデンウイークに北海道に行ってきました。牧場では出産シーズン真っ盛りで、種付けや仔馬のケアなどで大忙しでした。少々迷惑だったかと反省。東北道は震災の影響で道がうねっており、危険なところもありましたが、無事に通れました。帰路、弘前の桜を鑑賞してきました。牧場で収穫した牧草をカットしたものをお土産に貰ってきて、マイヨジョーヌに与えました。あまり持ちそうにもないので、ほかの馬たちにも大盤振る舞いしてやりました。
2011年7月16日(土)
今日はいつもどおりにみんなと乗馬。暑くって、いやだなあと思っていたら、僕のやる気のない態度に気づいてくれたのか、15分くらいでおしまい。よかったぁ!
−訳者注:確かに今日は暑かったです。夜の飲み会に備えて、クラブから早々に帰宅して待機していたら、クラブから電話があって、「マイヨジョーヌが前がきして、疝痛ぎみです」との連絡。急遽、クラブに駆けつけてみると洗い場で痛み止めと点滴をされていました。暑さに負けたのでしょうか。最近は夏ばて対策のサプリメントを与えていなかったのですが、今年は「CHEVINAL PLUS」という、「シェビナール・エクストラの液体版で、馬にとっての嗜好性を考えた添加シロップ」を与えることにしました。なんと!¥21kします(涙)
2011年10月1日(土)
このところ暑さもだんだんやわらいできているけど、それにひきかえ、うるさいのがハエ!真夏は暑くてハエも出てこないんだけど、ちょっと涼しくなるとハエがうるさいんだよね。ハエがまとわりつくとうるさくなる馬もいるので、乗馬クラブも、草を燃やしていぶすなどして対応してるんだけどねえ。
−訳者注:何度となくハエについて書いていますが、毎年のことで、もうあきらめています。
右の一番左の写真は放牧しているところですが、後肢でおなかのハエを追っているところです。見ていて痛々しいです。
真ん中の写真は馬体にたかっているハエです。よく見えませんが、数匹体にとまっています。手でたたくと潰れて手に真っ赤な血がつきます。吸血バエです!どこかにボウフラが湧き出す根源があるのでしょうが、根本原因を突き止めなければ駆除は無理でしょう。対症療法しかありません。
右端の写真のようにクラブではドラム缶を使って、できるだけ、火を焚いていぶすことに心がけています。
2011年11月26日(土)
夏場からこれまで、SSさんが冷たい飲み物を持ってきてくれるんだよ。ちょっと甘めで、昔「ダカラ」なんて名前のドリンクを僕に飲ませてくれたことがあったけど、アレに似ているなあ。うん。
−訳者注:ずばり、これは「ポカリスエット」です。夏の暑い時期に、試しにマイヨジョーヌに500ccのペットボトルで飲ませてみると、美味しかったのでしょうか、ぺろりと飲んでしまいました。それからは、スポーツドリンクだから馬の胃腸にも良いだろうと、乗馬クラブに行く時には必ず2リットルの容器に用意して持って行き、飲ませています。
暑い時期には2リットルの冷たいのを一気に、涼しくなっても常温のものをあっという間に飲み干してしまいます。習慣になってしまいました。また、費用がかさみます(涙)
2011年12月18日(日)
今年の夏頃から毎朝、かわいい女の子が僕の体温を測っているんだ。どうやって図るかって?恥ずかしいなあ、、、人間さんなら、脇とか、舌の裏とかで測るんだってね。僕たちは、チョクチョウで体温を測るんだよ。どうやってかは、わかるよネ。
−訳者注:第14章健康10ヶ条で、「馬の体温は個体差があります。37〜38.3℃位です」。なんて書きましたが、マイヨジョーヌの体温は36度後半から37度前半。一般よりも少々低いようです。マイヨジョーヌの体温は暑い夏では36度台後半、寒くなってくるとちょっと上がって37度+α。生体の調整機能で、寒くなると体温調節をして体温が上がるのでしょうか。36度と37度をいったりきたりします。
今年の夏頃から乗馬クラブでは、体調を崩す馬たちが続出。これではいけないと思ったのか、クラブでは毎朝体温を測っています。毎日の体温変動を監視して、体調変化を事前に把握しようというのでしょう。もっと早くからやって欲しかったですね。馬を預けている者の率直な感想です。おかげで、この頃馬の体温に敏感になりました。