14.健康10ヶ条
1999年1月1日
今日は僕たち馬の健康チェックの方法を教えましょう。10箇条の心得かな。
1. 体温
馬の体温は個体差があります。37〜38.3℃位です。体温は直腸で検温します。毎日決められた時間に体温を測って馬の正常体温を知りましょう。正常な体温を知ることで、病気の初期段階を発見することができます。僕の正常体温知らないでしょう!?2. 心拍数
サラブレッドの安静時の正常心拍数は、およそ1分間に28〜36回です。馬がリラックスしている状態で聴診して数えてください。僕はアングロアラブですけど、心拍数は少し多いのかな。なお、子馬は70〜100回/分と大人の3倍程度の心拍数と言われています。僕の心拍数を知っていますか?発熱時やその他病気の時にも心拍数の増減が起こるので、必ず聴診してください。3.呼吸数
馬の正常呼吸数は、その馬の品種や競技によっても異なるかもしれませんが、大体、安静時に1分間に8〜20回と言われています。呼吸数を調べる場合、鼻の穴の動きを見たり、直接手をかざしてみると分かりやすいです。また呼吸の仕方のチェックも病気の診断には重要です。4.飼い食い
飼い葉をちゃんと食べているかは重要ですが、食べる速度も重要なチェックポイントです。いつも早く食べ終える馬が食べるのが遅い場合、疲れ、腹具合が悪い、歯痛、エサが悪くなっている。など色々原因が考えられますので注意してください。5.水飲み量
馬は平均して1日に20リットル〜40リットル水を飲みます。夏場は冬場に比べて当然、飲む量が増えますがそれにより電解質が不足しますので、補給が大切です。僕の馬房では給水器があるし、岩塩も置いてくれているので大丈夫だけど、時々ちゃんと水が出ているか、岩塩は舐めているかチェックしてね。6.糞尿
糞(ボロ)と尿の量は多いのか少ないのか、糞が硬くなったり小さくなったりしていないか、下痢していないかをチェックしてください。疝痛など、場合によっては何日か前から徐々に小さく固めのボロをしたり、量が少なくなることで早目に気付く場合もあります。下痢をしていたら腸から水分が吸収されないので余分に水分を取らせてください。ボロや尿の量や臭いが変化したら早目に対策をとりましょう。7.馬体
ブラッシング時にチェックしましょう。皮膚や毛の変化はないか、怪我はしてないか。馬房で暴れて怪我をしたり、寝転んだときに壁に体を擦ったりして怪我することがあります。僕は皮膚が敏感だから、よく蕁麻疹が出るし、夏バテで皮膚が荒れたりするからよーくチェックしてください。8.蹄や肢
馬房から出た時と運動や放牧の後は必ず、馬体だけでなく四肢と蹄のチェックと手入れをしてください。蹄の裏に詰まったボロや引き粉は必ず取ってください。また、怪我の有無、腫れの有無、四肢の温度の変化も目でみて実際に触ってチェックしてください。9.行動観察
日頃と行動の変化はないか、落ち着いているか、イライラしていないか、動作が機敏かなど。日常の行動を良く観察しておけば、些細な行動の変化や感情の変化で馬の異常が分かることもあります。僕は1度嫌な経験をするとそれが尾を引くので、SKさん、おかしいと思ったら指導員に日頃の状況を聞いてくださいね。10.馬房
馬房は清潔に管理してください。僕たち馬が毎日生活する部屋だから、不潔にしていると病気の原因になります。寝床の「おがくず」はしっかり入っているか、それが汚れていないか、変なものが居ないか、戸や壁が壊れていたりしないか。しっかり見てください。この間なんか、飼い葉桶にゴキブリがいたよ。虫を飼い葉と一緒に食べて蕁麻疹が体に一杯できた友達を知っているよ。そうならないよう、飼い葉桶も清潔にしてくださいね。−訳者注:いやーまいったね。痛いところを突かれました。がんばって、しっかりチェックと管理をいたします。