13.耳の表情

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1998年7月

耳を後ろに伏せている時耳をピンと前に向けて立てている時皆さん僕たち馬の表情が分かるかい。普段、馬に接していない人には分からないだろうな。人間たちは顔の筋肉で表情を作るらしいけど、僕たちは耳に表情があるんだよ。おまけに馬の耳はとても良く聞こえるし、いろんな方向から来る音も同時に聞くことができるんだよ。凄いだろう。では、教えてあげようね。

耳をピンと前に向けて立てている時は、耳を向けている方に注意を払っているんだ。見慣れないものがある時や、変わった音がする時にそういうことをするよ。気持ちも集中しているんだよ。

耳を後ろにグッと伏せている時は、怒っているよ。オーナーさんはこの状態を「耳を絞っている」と言っているネ。攻撃的な気持ちになっているから、僕に近寄ると噛みつかれるぞ!

両方の耳をセカセカと交互に動かしている時両方の耳をセカセカと交互に動かしている時は、不安を感じているときなんだ。不審物や不審者が近くにいると警戒するために動かしている。レーダーみたいだね。やさしく首を撫でてくれると、僕もも落ち着いて安心するよ。

両耳ともダラリと力が抜けている時は、落ち着いてリラックスしています。周りに危険物が無く関心が薄れているね。人間にとっても僕から危害を加えられる恐れはないから安心しできるよ。でも、僕は知らない人が目の前に来たら「耳を絞る」から、近づかない方がいいよ。

−訳者注:そうですね。馬の耳は良く聞こえるんです。そのため、音に敏感な馬だと、乗馬中に人が気付かない音にでも反応して飛び跳ね、(乗っている人が)危険な目にあうことがあります。近くの林の中で鳥が飛び立つ音、蝉が突然鳴く音、そばのゴルフコースで人間が騒ぐ音、さらには突風の音や木々のざわめきでも反応します。音に敏感な馬で乗馬をするときには気をつけてください。競馬でするメンコとはいかないまでも、耳だけを覆うおしゃれなカバーを付けることもあります。

また、馬の耳は、13もの筋肉によって動いているため、クルクルと動いて色々な動きをします。その動かし方は馬の気持ちを表しています。マイヨジョーヌが言っている様に、彼は洗い場などで人が前に立つと必ず怒って耳を絞ります、撫でようとして手を出して噛み付かれた人は数知れず、、、オーナーの立場としては頭が痛いです、、、


1998年10月

葡萄の眼この前、オーナーのSKさんが言ってた。「マヨちゃん。お前の目は本当に葡萄のように丸くて可愛らしいなあ。会社の社内報のエッセイ欄に馬の目が葡萄のように輝いているんでそれに惹きつけられる、なんてことを書いたら評判だったよ」。へっへーん、そうでしょう。魅惑の眼差しを送りましょうか!?パチッ!

−訳者注:確かに馬の目はとてもきれいで魅力的です。その大きさはなんと直径約5センチもあります。一説には、犬・猫・牛は色盲といわれていますが、馬は殆どの色を見分けることが出来るが、赤だけは苦手と聞きます。

また、遠くのものを見るときは頭をさげ、近くのものを見るときは頭をあげてピント合わせをします。馬の目は夜でもよく見えるので、夜間放牧もへっちゃらです。さらに、目と目の間が開いて顔の左右にあるため、頭を振らなくても後方が見えます。草原で敵に襲われないように進化したのでしょう。ただし、真後ろは見えないので非常に警戒します。馬に真後ろから近づくと蹴られることを覚悟してください。マイヨジョーヌは大丈夫ですが、、、


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