ミラクルトニー「がんばる記」

1999年3月23日(火) サラ系C5ニ
第18回宇都宮4日目 第5レース(ダ1,300m) 晴 稍重

出走馬

馬名 騎手 斤量 厩舎 前走
1 カラスボーイ 5 三上智 55 (足)岡昭 足3/09 C5二 大島計 55 ダ13 7着 452
2 エビスダッシュ 8 森泰 55 (足)佐藤和 3/11 C5ロ 高橋和 55 ダ14 10着 474
3 ヤマテツボーザム 5 山口竜 54 (宇)菅原末 足3/07 C5チ 山口竜 54 ダ13 2着 445
4 ミラクルトニー 5 鈴木正 55 (宇)平石勉 宇1/30 C5ヌ 鈴木正 55 ダ14 2着 458
5 ハクトウタイザン 5 大隅三 55 (宇)室井兼 宇3/01 C5ロ 青木秀 55 ダ14 11着 458
6 フクシノビュティ 7 古澤泰 54 (宇)浜野近 足3/10 C5ハ 古澤泰 54 ダ14 7着 461
7 サイノキャプテン 5 大木義 55 (足)梅山誠 足3/08 C5ヘ 山口竜 55 ダ13 5着 472
8 ワイケーアロー 7 岡田康 55 (足)早川行 足3/08 C4ヘ 岡田康 55 ダ14 6着 482
9 サスイシリ 5 高橋和 54 (足)手塚正 足3/06 C5ヌ 内田利 54 ダ14 1着 441
10 クリスタルジュエリ 5 大島計 54 (宇)星野由 足3/09 C5ホ 大島計 54 ダ14 5着 428
11 スマイルエース 6 粂川 55 (足)岩渕三 足3/08 C5ヘ 藤本靖 55 ダ13 6着 494

中央では4戦未勝利。前走、1/31の宇都宮の緒戦を逃げて粘れず、惜しくも2着と惜敗したミラクルトニー。母のマツスイフトは札幌ダート1000mをレコード駆けした馬である。父カンパラは、言わずと知れたトニービンの父である。少々の距離延長も問題無いはず。ここまで、勝ちに見放されたミラクルトニーだが、6月生まれと遅い生まれが災いしたに違いない。前走の2着はアクシデント。ここは勝って当然。更にステップアップして欲しいところである。

出走馬を見渡しても、相手になりそうな馬はいない。C4クラスで戦ってきた8ワイケーアローは条件が下がって、好走を期待される。前回好走の3ヤマテツボーザム、持ちタイムの良い10クリスタルジュエリ、6サイノキャプテン、1カラスボーイあたりが相手と見た。正直なところ、ここまで伸び悩んだ7、8歳よりも、活きの良い5歳馬が主力であろうと思う。

ミラクルトニー(父:カンパラ、母:マツスイフト)昨日までの強い北風が収まり、防寒装備は必要ないほどの暖かさになった。馬場も回復し、1レースから稍重であったが、ダートはたっぷりと水を含んで、レース後の馬の体はまるで不良馬場でレースをしたかのように泥まみれである。砂がしっかり締まって、レコードも出るのではと思わせる状態であった。

パドックのミラクルトニー鞍上:鈴木正騎手、落ち着いたもの。全く入れ込む様子もなく、毛艶もよい。調子は万全と思われた。しかし、パドックでボロをした。新井さんはパドックでボロをする馬を嫌うが、私はまたやったと苦笑い。1月にローテーション(名古屋、6歳アラOP)の馬主さんからパドックでボロをするのは気にしなくてよいと聞かされていたので、私は落ち着いたものであった。ミラクルトニーは右目に白目が多いため、右側の目付きが悪い。それでも、右目でこちらを見ている。私には、「また来たのかい?今日はボクやるよ!」と行ってるように感じられた。返し馬:正面スタンド前

騎手は、前回と同様、鈴木正騎手。北関東リーディングの上位に位置する騎手であり。信頼はおける。前回の名誉挽回のため、がんばってほしいものである。騎手騎乗。ミラクルトニーは、相変わらず落ち着いたもので、他の馬が興奮するのとは対照的に、堂々としたもの。ただ、騎手が騎乗すると耳をピンと前に向け、ピリっとしてきた。頼もしさに加え、逞しささえ感じる。返し馬も、気合が入って上々。今日のレースは距離1300mで、4コーナー出口からのスタートであり、スタート後は直線が長い。如何に1コーナーまでに良い位置を取るかが鍵となるであろう。

スタート直後。あおるミラクルトニーそうこう考えているうちに、レースはスタート時間に。スターターの旗が振られ、ファンファーレが響く。「よし、ガンバレ!」。思わず掛け声が出る。ゲートに全馬が収まり、さあスタート。と、その瞬間2枠の馬がゲートで暴れる。そこで、ゲートが開いた。なんと、ミラクルトニーはスタートであおってしまって、最後方に出遅れてしまった。周りでレースを見ていたおじさん達が、「あ〜っ!これで1番人気が飛んだな(笑い)」。見ていた私も、「これはまずい。ミラクルトニーもつくづく運が無いなあ」と、内心がっかりしてしまった。

レースは3ヤマテツボーザムが先行し、4コーナー出口(外側先頭)エビスダッシュ、1カラスボーイ、5ハクトウタイザン等がだんごとなって追いかける。それでも、ミラクルトニーは、1コーナーまでに7、8番手まで追い上げた。なおも流れに乗って、ミラクルトニーはどんどん押し上げてくる。向こう流しでは6番手に。3コーナーに入るところでは4番手。先頭から3、1、6フクシノビュティの順。3コーナーを回ったところでは遂に、先頭に取り付いてしまった。ここで、一気に先頭に。最終コーナーを回って直線に向いた所では約1馬身離してしまった。後はゴールを目指すだけ。追いついてくる馬はいない。鈴木正騎手は全く追っていない.....やった!3馬身差の楽勝!

先程、1番人気が飛んでしまったと喜んだおじさんは、「話にならねえーなぁ。ものが違うわ(溜め息)」。私がそれを聞いて、ニンマリしたのは言うまでもない。「こんなところで右往左往する馬ではありませんよ」と思わず言いたくなった。

レース結果持ったままでゴール

馬名 体重 タイム/差
1 4 ミラクルトニー -2 1.25.4
2 5 ハクトウタイザン 0 3
3 3 ヤマテツボーザム +2 1・1/2
4 6 フクシノビュティ -2 1・1/2
5 10 クリスタルジュエリ -2 クビ
6 8 ワイケーアロー -5 クビ
7 7 サイノキャプテン +10 3/4
8 11 スマイルエース -4 アタマ
9 1 カラスボーイ +1 クビ
10 2 エビスダッシュ -10 5
11 9 サスイシリ +1 1・1/2

レース後、平石勉厩舎を訪問。ミラクルトニーは一生懸命カイバを食べて、元気そのものであった。調教師さんも、「レース後も何も問題無い。次の開催に出すつもりですよ。このクラスでは負けるわけには行きません」と笑顔でおっしゃる。平石調教師は開業1年目だそうで、若い調教師さんであった。やる気が感じられる。ミラクルトニーには馬房その他、良い環境を用意してくれているので安心した。

ミラクルトニーの厩務員の方は不在であった。やはり厩務員をされている彼のお父さまが同席されて、「今日は、追ったらレコードだったよ!はんこ2つ。はんこ2つ!」と喜色満面で、おっしゃられる。私は?マークで一瞬、理解不能であった。良く考えると、「あと2勝は太鼓判だよ」との意味だと分かり、「そうそう。そうですね。2つと言わず、いくらでも」と思うのであった。

注)レコードには0.3秒差でした。直線で、ムチを1、2発入れていればやはりレコードだったでしょう。

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