クリスタルビーム「がんばる記」
2001年2月11日(日) 3歳新馬 サラ系3歳 (混)[指] (馬齢)
第2回京都6日目 第4レース (芝2,200m) 晴れ 良
出走馬
馬 | 質 | 馬名 | 性 | 齢 | 騎手 | 斤量 | 厩舎 | 前走 |
1 | 差 | ユウキアポロン | 牡 | 3 | 幸 | 55 | (栗)新井 | 京都 1/28 新馬 幸55 ダ14 11/12 460 |
2 | 先 | ビクトール | 牡 | 3 | 松永幹 | 55 | (栗)安田隆 | 京都 1/27 新馬 松永幹55 芝18 4/13 462 |
3 | 先 | ブライアンハニー | 牝 | 3 | 河内 | 53 | (栗)長浜 | 京都 1/27 新馬 河内53 芝18 3/13 474 |
4 | 逃 | ランファースト | 牡 | 3 | 熊沢 | 55 | (栗)武宏 | 京都 1/27 新馬 熊沢55 芝18 2/13 440 |
5 | 追 | トーワマドンナ | 牝 | 3 | 武幸 | 53 | (栗)佐山 | 京都 1/27 新馬牝 武幸53 ダ18 6/13 486 |
6 | 差 | マイスターシャフト | 牡 | 3 | 渡辺 | 55 | (栗)沖 | 京都 1/27 新馬 渡辺55 芝18 8/13 500 |
7 | 先 | イイデルヴァン | 牡 | 3 | 池添 | 55 | (栗)大久正 | 京都 1/27 新馬 池添55 芝18 9/13 452 |
8 | 追 | エイシンライフ | 牡 | 3 | 藤田 | 55 | (栗)嶋田潤 | 初出走(父:ホワイトマズル、母:エイシンラディカル) |
9 | 追 | ラントゥビーフリー | 牡 | 3 | デムー | 55 | (栗)森 | 京都 1/28 新馬 デムー55 ダ18 7/11 484 |
10 | 逃 | サクラスピリット | 牡 | 3 | 村本 | 55 | (栗)池江 | 京都 1/27 新馬 村本55 芝18 5/13 478 |
11 | 差 | スリートニービン | 牡 | 3 | 小林徹 | 55 | (栗)目野 | 京都 1/27 新馬 小林徹55 芝18 6/13 498 |
12 | 差 | クリスタルビーム | 牡 | 3 | 武豊 | 55 | (栗)松元茂 | 初出走(父:クリスタルグリッターズ、母:ミヤシロオーバン) |
母ミヤシロオーバンの98年度産駒、名づけてクリスタルビームがデビューを向かえる。JOYサラブレッドクラブに購買されて沢山の馬主さんが何時デビューするのかと、やきもきする中、当初1回阪神の予定が急遽早まって2回京都6日目に出走となった。開催途中でデビューさせるからには調子が良いのであろう。デビュー戦、しかも鞍上武豊ということもあって筆者も急遽京都参上となった。
ミヤシロオーバンの仔は初仔ミヤシロテュードオから始まって、新井昭二牧場産ではJOYのブレイクショット、オープン馬シアトルブリッジ、南関東所属のアトラスエース、ブルーマーブルなど活躍馬を輩出。父クリスタルグリッターズになって芝での活躍が期待されるところ。とはいえ、JOYの情報ではクリスタルビーム、ゲートからの出脚が悪いということでスピード競馬の現代競馬ではチョト不安。レース慣れすれば変わってくるであろうが、とりあえずデビューから中距離芝2200を使うのは、そこらに配慮したのであろう。
東京から朝一番の新幹線で京都へ。筆者にとって7年半ぶりの京都競馬場である。古びただだっぴろい建物は今は昔。はやりのガラス張りの観覧席に変身していた。それでも、立ち見席はあいかわらず広く、立ち見席から続く吹きさらしの客席は往時の面影を残している。これでなくっちゃと一人つぶやく筆者であった。天気は快晴、日向は暖かくすらある冬晴れの京都であった。
そうこうしているうちに4Rの馬が出てくる時間が近づいてきたのでパドックへ。懐かしい円形パドックである。これは全然変っていない。ふと見ると、クリスタルビームの横断幕が掛かっているではないか。いやあ、うれしいなあと感激した次第(注:ゆうさん有り難うございました) 。早速、牧場にも報せる。牧場でもテレビを食い入るように見たのは言うまでもない。
パドックにクリスタルビームが現れた。1歳の6月以来だから1年半ぶりである。1歳2歳では皆に小さい小さいといわれていた。確かにこじんまりして実がぎゅっと詰まっている感じだったのだが、それがうそのように大きくなっている。1回り半は大きくなっているのではないか。体重474kg、クリスタルグリッターズの仔は大型馬が大成するという通説があるだけに、大きくなってくれたことは素直に嬉しい。まだまだ大きくなりそうだ。さすがに、デビュー戦だけに、時折頭を上げたりして気の悪いところを見せるものの、おおむね落ち着いて雰囲気は良い。
人気は、やはり出走新馬たちに集まる。1番人気は単勝2.9倍でブライアンハニー。緒戦3着は重馬場に泣かされた。3.0倍で僅差の2番人気がランファースト。このレース出走の3頭のラムタラ産駒では1番手。3番人気サクラスピリット、4番人気ビクトール、5番人気クリスタルビームは7-8倍でほぼ横一線。6番人気ラントゥビーフリーあたりまでが上位人気。7番人気以下は上位人気馬から倍率で大きく水を開けられている。スリートニービン、イイデルヴァン、トーワマドンナ、マイスターシャフト、エイシンライフ、ユウキアポロンという人気順。クリスタルビームは5番人気と予想よりかなり人気が高い。馬主さんのおかげかな?
止まれの合図で騎手が乗馬。クリスタルビームの鞍上は武豊。いやがおうでも期待は高まる。「武ちゃんお願い」と叫ぶのを押さえ難い筆者であった。返し馬も一直線に待機場に向かって行って、到って元気。騎手を振り落とさんばかりの勢いであった。芝2200のスタートは4コーナー出口から。3コーナーでは淀名物の坂がある芝外回りコースである。
スタータの合図があって各馬ゲート入り。12クリスタルビームは当然最後の枠入り。枠に入る瞬間、ターフビジョンに写された12クリスタルビームは、なんとボロをし始めた。あらあらと愕然としているうちにレーススタート。まあ、体重が軽くなっていいか、、、心配された12クリスタルビームに出遅れはないものの、一方の初出走馬8エイシンライフが出遅れる。ただ、12クリスタルビームもダッシュがつかず、さらに大外ということもあって他馬に置いて行かれて後退する。まず勢い良く飛び出したのは3ブライアンハニー、7イイデルヴァン。正面スタンド前で、直ぐに7イイデルヴァンが果敢にハナを奪い取る。1馬身差で3ブライアンハニー、4ランファースト、5トーワマドンナ、9ラントゥビーフリー、10サクラスピリットの5頭が追走。3馬身差で2ビクトール、6マイスターシャフト、11スリートニービン。さらに5馬身後れて12クリスタルビーム、8エイシンライフ、1ユウキアポロンが続く。
1コーナーでは7イイデルヴァン先頭、半馬身差で5トーワマドンナ、以下3ブライアンハニー、9ラントゥビーフリー、4ランファースト、10サクラスピリットあたり。上位9頭がほぼ一団となって淡々と流れる様相。やはりレースはスローペース。後方では12クリスタルビームが前に追いつこうと徐々にペースを上げつつある。ようやくエンジンが掛かったか?しかし、走りはやや頭が伸びて、まだ本物で無い感じがする。
向こう正面では7イイデルヴァンが単独先頭。1馬身差で3ブライアンハニー、控えていた5トーワマドンナが3ブライアンハニーを交わす勢いで上がってくる。その他の馬の位置取りはほとんど変らない。12クリスタルビームは後方の2頭と上位集団の中間にまで上がってきた。3コーナー坂の頂上付近で5トーワマドンナが7イイデルヴァンに並びかける勢い。しかし、7イイデルヴァンも粘って譲らない。3番手は内に3ブライアンハニー、外に9ラントゥビーフリー。続いて4ランファースト、10サクラスピリット。4コーナー手前でとうとう12クリスタルビームが前の集団に追いついた。レースは直線へ、、、
直線に向いて3ブライアンハニーが追い上げてくる。先頭は7イイデルヴァン、4ランファースト、3ブライアンハニーの争いに。内から2ビクトールが追い上げる。さらに後ろでは12クリスタルビームが5トーワマドンナ、9ラントゥビーフリー、10サクラスピリット3頭の壁をつっついている。残り200mで、3ブライアンハニーが勢い良く先頭に立ってそのまま他馬のを突き放して1着。4ランファーストが1テンポ後れて追い出すが交わす勢いはなく2着。3着は逃げた7イイデルヴァン。12クリスタルビームは9ラントゥビーフリー、5トーワマドンナの間を割って見所ある追い込みを見せ、5着であった。
レース結果
順 馬 馬名 体重 増減 タイム/差 1 3 ブライアンハニー 476 +2 2:17.4 2 4 ランファースト 436 -4 2・1/2 3 7 イイデルヴァン 446 -6 2 4 2 ビクトール 464 +2 1/2 5 12 クリスタルビーム 474 初出走 1・1/4 6 9 ラントゥビーフリー 472 -12 1・1/4 7 10 サクラスピリット 474 -4 1/2 8 6 マイスターシャフト 496 -4 3 9 5 トーワマドンナ 480 -6 ハナ 10 11 スリートニービン 502 +4 1/2 11 1 ユウキアポロン 452 -8 3・1/2 12 8 エイシンライフ 529 初出走 大差 ゴール後、他の馬が直ぐに馬寄せに帰ってきたのにクリスタルビームはなかなか帰ってこない。あれ!?っと思って向こう正面を見ると、クリスタルビームは7号馬イイデルヴァンといっしょにダートコースを走っている。初出走の馬に競馬を教えているのだろう武豊騎手。有り難いことだと感謝。レース後の武豊騎手のコメントも、まだ子供でふわふわ走っている、直線では見所ある脚だが、まだ太め、叩いて使っていけばそのうちと好意的。がんばれ、クリスタルビーム!