ブルーマーブル「がんばる記」
2000年1月21日(金) 4歳未受賞 サラ4歳
第11回船橋4日目 第3レース (ダ1,200m) 曇り 良
出走馬
馬 | 馬名 | 性 | 齢 | 騎手 | 斤量 | 厩舎 | 前走 |
1 | イベルフローラ | 牝 | 4 | 米元圭 | 53 | (船橋)鈴木総 | 船橋12/31 新馬 岩崎佳53 ダ10 8/12 398 |
2 | ヤマノシルエット | 牝 | 4 | 佐藤太 | 53 | (船橋)岡島一 | 船橋12/31 新馬 石井勝53 ダ10 12/12 398 |
3 | トレジャートート | 牝 | 4 | 桑島孝 | 53 | (船橋)高松弘 | 船橋12/29 3歳 桑島孝53 ダ12 10/11 409 |
4 | サラダクララサララ | 牝 | 4 | 張田京 | 53 | (船橋)熊坂光 | 船橋12/31 新馬 張田京53 ダ10 6/8 444 |
5 | ビッキーザクイーン | 牝 | 4 | 石井勝 | 53 | (船橋)凾館喜 | 船橋12/29 3歳 石井勝53 ダ12 6/10 計不 |
6 | ゲートウェークイン | 牝 | 4 | 野口正 | 53 | (船橋)齊藤速 | 船橋12/29 3歳 田部和53 ダ12 8/11 441 |
7 | イシノスペシャル | 牡 | 4 | 長橋秀 | 54 | (船橋)成田 | 船橋12/30 新馬 秋田実53 ダ10 8/10 490 |
8 | ラデエッス | 牝 | 4 | 柿本 | 53 | (船橋)柿本 | 船橋12/30 新馬 柿本53 ダ10 10/10 464 |
9 | マエノプレステージ | 牝 | 4 | 石崎隆 | 53 | (船橋)出川博 | 船橋12/29 3歳 大友勝53 ダ12 11/11 451 |
10 | ブルーマーブル | 牝 | 4 | 左海 | 53 | (船橋)米山 | 船橋12/31 新馬 左海53 ダ10 9/12 418 |
11 | シンシンストーン | 牝 | 4 | 佐藤祐 | 53 | (船橋)木村和 | 船橋12/29 3歳 野口正53 ダ12 7/11 449 |
12 | マツノナデシコ | 牝 | 4 | 森勇 | 53 | (船橋)森始 | 船橋11/19 JRA認定 森勇53 ダ10 8/8 449 |
前走、1番人気を背負いながら、ゲート内で暴れてレースにならなかったブルーマーブル。年が改まって、2000年、明けて4歳になって最初の開催に順調に出走してきた。能力試験で見せた快走はトラックマンには強烈であったようで、今回も新聞各紙はイチ押し。筆者も確勝を期して、船橋競馬場に向かった。事前に、米山厩舎所属の調教助手氏と会話したが、歯切れがよくない。乗り役さん(左海騎手)は、「ブルーマーブルはまだ競馬を分かっていない、もう少し使ってからかな...」と言っているそうだ。今回も半信半疑の様子。少々、ずっこけてしまったが、まだ勝利を信じて疑わなかった。
レースは3レースの未受賞戦。距離は、1ハロン伸びて1200mとなった。このくらいの、距離延長はまず問題ないであろう。当日は、朝から冷たい強風が吹いて、体感温度は一気に下降。見る方も、走る方もコンディションは最悪。前日に降った雨も、強風で乾燥し、馬場は湿りながらも良発表。しかし、レースを終えた馬達にはビッシリと泥が張り付いている。少なくとも、筆者には稍重に感じられた。
パドック。時折吹く、突風でパドックには砂塵が舞いあがる。見る方も目を細めて、体を縮こまらせる。日陰では見るのが辛いほど。そのなかを、ブルーマーブルが現れた。様子は前回と、あまり変わりはないが、今回は厩務員さん1人で手綱を引いている。馬体は−6kgと、さらに軽くなった。そのせいか、少々落ち着きが無い気もするが、気のせいであろう。もともと、少々落ち着きがないのはこの馬の癖である。しかし、馬体そのものはとても410kg台の馬には見えず、体を大きく見せる馬である。贔屓目なしに、450kgはあるように見える。この点では頼もしい限りである。
人気は、我がブルーマーブルが1番人気。前走の負けは、一人相撲で自滅したもの。このメンバーの中では優位は揺るがないであろう。次いで、イシノスペシャル。出走馬の中では唯一の牡馬。前走先行してばてたものの、好気配で2番人気。3番人気は、故ホワイトストーンの数少ない産駒シンシンストーン。稽古の動きが良かった様子。以下、ビッキーザクイーン、マエノプレステージ、ゲートウェークイン、ラデエッス、トレジャートート、イベルフローラと1200mを既に経験している牝馬たちが続く。
騎手は主戦、左海誠二騎手。騎手が騎乗するとブルーマーブルの気合いはさらにアップ。返し馬もスタンド前を、キャンターで行って、4コーナー手前で折り返し、ギャロップで約2/3周を軽快に走りぬけた。気合いは上々。発走が待ち遠しいくらいであった。
レースのスタート時間が迫り、スターターのゲートインの旗が振られた。ここで、アクシデント。7イシノスペシャルがゲートインを嫌う。何度押しても、引いてもいうことを聞かない。明けて4歳、まだまだ馬は幼いのである。長い緊迫した時間が続く。計っていたわけではないが3〜4分はかかったのではないか。7イシノスペシャルがゲート入りしたと思うと、今度は5ビッキーザクイーンがゲート入りを嫌う。う〜ん、困った。早く、入ってくれとオーロラビジョンに写る画面に祈るばかり。幸い、10ブルーマーブルは偶数の大きい番号なので、この騒ぎの間もゲートの外で輪乗りを続けられた。ゲートに入っていれば、絶対暴れていたはずだ。待つこと数分、ようやく、5ビッキーザクイーンもゲート入りして各馬ゲート入り完了。さあ、スタート。
各馬、一斉にスタート。あれ?10ブルーマーブルは、またまた出遅れ。一生懸命、先頭の方をさがしたが左海騎手の勝負服が見当たらない。なんと、後方にいる。またか...作戦なのかと一瞬思ったが、これは出遅れだろう。1200m程度で、控える必要もない。先手を取ったのは8ラデエッス、さらに直ぐ後ろに5ビッキーザクイーンが後続を3馬身離して追走し、そのまま2コーナーへ。2コーナーへは、8ラデエッス、5ビッキーザクイーン、9マエノプレステージの順でばらけて突入。人気の7イシノスペシャルが4番手。10ブルーマーブルは11シンシンストーンとともに後方、8〜9番手を追走。
向こう正面の直線で、11シンシンストーンが上がってくる。3コーナーでは先団5頭と後続の間に3馬身の差がついている。4コーナーを回って、なおも8ラデエッスが先頭。7イシノスペシャルが追い込む。その外目を11シンシンストーンも上がってくる。後ろから来た1イベルフローラが内を突く。残り200mで、大外を6ゲートウェークインが上がってくる。8ラデエッス、5ビッキーザクイーンはズルズル後退。先行集団の直後に、見慣れた勝負服が見えた。10ブルーマーブルである。前馬の砂をかぶりながらも、後方から追い上げてきた。がんばれ!
結局、直線追い上げた11シンシンストーンが7イシノスペシャルをアタマ差押さえて優勝。大外を追い込んできた6ゲートウェークインが3着。これも、後方から追い上げてきた10ブルーマーブルが4着であった。レースはテンに早いペースとなって差し争いとなった。
レース結果
順 馬 馬名 体重 増減 タイム/差 1 11 シンシンストーン 445 -4 1.19.3 2 7 イシノスペシャル 483 -7 アタマ 3 6 ゲートウェークイン 445 +4 1/2 4 10 ブルーマーブル 412 -6 2 5 1 イベルフローラ 405 +7 クビ 5 12 マツノナデシコ 453 +4 同着 7 5 ビッキーザクイーン 425 - 2・1/2 8 4 サラダクララサララ 435 -9 ハナ 9 8 ラデエッス 450 -14 1 10 3 トレジャートート 405 -4 1 11 9 マエノプレステージ 443 -8 1/2 12 2 ヤマノシルエット 429 +1 1/2
テンに前に行けず、後方からの競馬。それでも、直線追い上げてきた脚は次走につながるものであった。スピードだけの馬ではないことを証明してみせたことに収穫があった。次は勝てるのではないかな。
レース後、厩舎を訪問。厩務員さんの話では、きょうもゲートで立ち上がったそうだ。それで、出遅れたのである。「この仔はほんとに甘えっ仔でねえ。人がいると、落ち着いているのだけど、居なくなるととたんに集中できなくなるんだよ」。そうかあ、もう少し学習が必要なのか...