シアトルブリッジ「がんばる記」

2002年1月23日(水) 第5回 TCK女王盃(G3) サラ4歳以上牝馬選定馬(指定交流) 別定
第17回大井3日目 第10レース (ダ2,000m) 晴れ 重

出走馬

馬名 騎手 斤量 厩舎 前走
1 ラシアンスキー 8 立花伸 53 (大井)荒居 大井12/30 勝島OP 立花伸52.5 ダ159 1/11 442
2 ヤマノジェネラス 5 張田 52 (川崎)池田孝 大井12/31 '01グローリーC 張田53 ダ20 1/16 482
3 セクシーディナー 5 内田博 53 (大井)赤嶺本 大井12/12 ファーストレディー賞 石崎隆57 ダ179 1/15 466
4 レディバラード 5 藤田 54 (栗東)山内研 船橋10/11 クイーン賞 石崎隆55 ダ18 1/12 492
5 メイプルベガ 5 金子正 52 (川崎)足立 大井12/12 ファーストレディー賞 岩城55 ダ179 2/15 468
6 ベラミロード 6 内田利 55 (栃木)室井康 宇都宮12/31 とちぎ大賞典 青木57 ダ20 10/12 468
7 タイムフェアレディ 4 後藤 53 (美浦)中野栄 園田12/27 兵庫GT 藤田53 ダ14 10/12 413
8 ベルモントオリーブ 4 石崎隆 52 (船橋)出川克 川崎12/31 ロジータ記念 石崎隆56 ダ21 2/13 481
9 ヤマノリアル 6 鷹見 54 (大井)蛯名末 大井12/12 ファーストレディー賞 鷹見57 ダ179 6/15 474
10 オンワードセイント 6 勝浦 54 (美浦)阿部新 東京11/24 ジャパンCダート 勝浦55 ダ21 13/16 496
11 ナミ 4 的場文 55 (大井)蛯名末 大井12/12 ファーストレディー賞 的場文57 ダ179 4/15 452
12 マロンハマナス 6 森下博 53 (大井)倉内賢 大井12/12 ファーストレディー賞 森下博57 ダ179 3/15 489
13 カーディアンゴット 4 佐藤祐 52 (船橋)玉井勝 川崎12/31 ロジータ記念 佐藤隆54 ダ21 1/13 440
14 ノボサンシャイン 4 江田照 52 (栗東)森 東京 1/06 ガーネットS 江田照53 ダ12 12/16 478
15 シアトルブリッジ 6 竹之下 53 (栗東)土門一 函館 7/28 マリーンS 竹之下54 ダ17 2/11 492

夏の函館マリーンS後、骨折してリタイア。ほぼ半年ぶりに復帰したシアトルブリッジ。復帰緒戦は平安SとTCK女王盃の両にらみであったが、結局、相手関係からか今後の路線を占うためか、出走はTCK女王盃に決まった。船橋マリーンCでの惨敗を始め、東京・中山への遠征でも大幅な馬体重の減少など、輸送に弱いシアトルブリッジだけに心配ではある。今のところ体重は500kgちかくあるとの情報もあり、少々の体重減でも大丈夫なように厩舎スタッフも気を使ってくれることだろう。晴れ舞台を応援しに大井競馬場に向かった。

竹之下智昭騎手当日は朝から快晴。さすがに交流重賞ともなると水曜日とはいえ観客は多い。パドックに現れたシアトルブリッジは勝負服とおそろいのメンコをつけて現れた。といっても見慣れた鼻筋に3つ星がついたメンコではなく、弟シアトルリーダーが着けているのと同じ意匠。これが馬主さんの今年のファッションか。そして今回はブリンカーも着用。いろいろ工夫をしてくれているようです。馬体重はやはり輸送で減ってしまったのか、前走から16kg減の476kg。この体重で連対はあるものの減るということは気がかりである。馬体は少々冬毛が目立って休み明けが一目瞭然。体型は胴長で腹回りが少し細いのはいつもどおりである。昨年4月のマリーンC時よりは歩様もしっかりしており上位食い込みもできそうな感じがした。鞍上は土門厩舎の今や専属(ホントはフリーです)の感のある竹之下智昭騎手。

人気は交流重賞を2着、1着とダートでは底をいまだ見せていない中央馬レディバラードが1番人気。続いて南関東G1,G2を4連勝し、前走でまさかの敗戦を喫したがここを目標にしてきた今や南関東の女王ナミが2番人気。3歳時ロジータ記念を勝って昨年のこのレース2着。前走スパーキングレディーCを快勝したセクシーディナーが3番人気。前走セクシーディナーの2着と勢いのあるメイプルベガが4番人気。北海道から転入緒戦の前走を難無く快勝し通算14勝と末脚のしっかりしているところが魅力のヤマノジェネラスが5番人気。

さっそうと帰し馬以下、JCダートの超一流馬と戦ったことが生きるかオンワードセイント、北関東で牝馬ながら3冠、昨年このレースで破られることがないといわれた20年前のコースレコードと同タイムで駆け抜けた「北関東の快速牝馬」ベラミロード、中央から移籍し前走ロジータ記念を快勝、道営ではナミと好勝負していたカーディアンゴット、石崎・出川コンビで健闘を誓うベルモントオリーブ、穴男江田照男を鞍上に迎えたノボサンシャインと10番人気まで。我がシアトルブリッジは11番人気と少々不満。もう少し評価がよくてもいいのでは?続いて、ロジータ記念勝ちもありかつては頂点を極めた馬ヤマノリアル。評価は厳しい、、、前走並居る牡馬を相手に怒涛の勝ちを収めた8歳馬ラシアンスキー。牝馬クラシック路線に出走したものの古馬になって苦戦続きの中央馬タイムフェアレディ。逃げ一手でも健闘を期すマロンハマナスと続く。

大井競馬場は現在スタンドの工事中でゴールを4コーナー寄りに移動している。そのおかげで、2000m外回りのスタート位置は4コーナーポケットの奥深く。ゴール前からはスタートが目視しにくくなっている。ターフビジョンを見れば良いのですが。

大井のファンファーレ隊が生ファンファーレを演奏して、いよいよレーススタート。かと思われたが、10オンワードセイントがなかなかゲートに入ってくれない。他の馬たちは既にゲートに入っていて、15シアトルブリッジだけがゲートの後ろで10オンワードセイントが入るのを今か今かと待っている状態。10オンワードセイントは2−3分もゲート係り員たちをて手こずらせてしまった。うーん、嫌な予感。

スタート。あわや落馬かと、、、その予感は当たってしまった。ゲートが開いた瞬間、大外の15シアトルブリッジが両前肢を地面についてしまうくらいに躓いた。あっという間に他の馬たちとの差が10馬身以上もついてしまったのである。正面スタンド前を通過する大集団の後方をぽつんと一生懸命追走する15シアトルブリッジ。あー、レースは終わってしまった、と嘆いたのは言うまでもない。

しかし、残酷にもレースは中止にはならない。逃げ馬6ベラミロードが予想通り先頭、2馬身後ろを14ノボサンシャイン、さらに11ナミと3頭がレースを引っ張っていく。1コーナーでは後続も集団で、以下12マロンハマナス、5メイプルベガ、4レディバラード、1ラシアンスキー、9ヤマノリアルと続き、3セクシーディナー、8ベルモントオリーブが併走するところを10オンワードセイントが追い上げにかかるところ。さらに、7タイムフェアレディ、13カーディアンゴット、2ヤマノジェネラスが固まって追走。15シアトルブリッジは1コーナーでも数馬身後ろを必死に追い上げる。2コーナー残り1200mあたりでようやく先行馬が視界に入ってくる15シアトルブリッジ。その必死の姿を見ていると胸に熱いものがこみあげてきた。なんとか無事にレースを終えてくれ、頑張れー!と心の中で叫ぶのだった。

最後の直線の攻防向こう正面で集団を捕まえた15シアトルブリッジ。3コーナーではなんとか10番手あたりまで進出。一方、上位では4レディバラードが早めに仕掛けて3番手まで上がってきた。その後ろでは10オンワードセイントも押し上げて5番手あたり。4コーナーでとうとう4レディバラードは6ベラミロード、14ノボサンシャインを交わして早め先頭に立ち、しかも抜け出す勢い。10オンワードセイントも前2頭に並びかける。15シアトルブリッジは大外に持ち出して追い込み体勢(実は大井は外側コースはあまり伸びないので、このパターンだけにはなって欲しくなかったんですが)。

直線に向いて4レディバラードがあっという間に後続を3馬身くらい突き放す。ここで、6ベラミロード、14ノボサンシャインは失速。替わって10オンワードセイントが抜け出し、前の4レディバラードを必死に追い上げる。3番手以下は置いていかれてしまった格好。追い出しを遅らせた10オンワードセイントの脚色が良いのだが、4レディバラードも必死に踏ん張る。結局、1番人気4レディバラードが10オンワードセイントをアタマ差凌いで1着。2着10オンワードセイント。3着は後方から追い上げた2ヤマノジェネラス。2番人気11ナミは良いところなく6着。15シアトルブリッジは直線がんばったが、前半に脚を使ったのが影響して9着であった。

レース結果ゴール!

馬名 体重 増減 タイム/差
1 4 レディバラード 487 -58 2:06.8
2 10 オンワードセイント 510 +14 アタマ
3 2 ヤマノジェネラス 478 -4 3/4
4 5 メイプルベガ 475 +7 1/2
5 3 セクシーディナー 463 -3 3
6 11 ナミ 445 -7 3/4
7 13 カーディアンゴット 443 +3 クビ
8 8 ベルモントオリーブ 478 -3 アタマ
9 15 シアトルブリッジ 476 -16 1・1/2
10 9 ヤマノリアル 476 +2 2・1/2
11 1 ラシアンスキー 445 +3 1
12 7 タイムフェアレディ 414 +1 1・1/21
13 14 ノボサンシャイン 465 -13 8
14 6 ベラミロード 428 0 4
15 12 マロンハマナス 488 -1 4

スタートの躓きがなければ、もっと上位食い込みは可能であったはず。でも、これが競馬、されど競馬。結果が全てである。今回の失敗を糧として次回につなげる競馬をしてもらいたいもの。シアトルブリッジももう6歳であり、今後は1戦1戦が大事になってくる。名牝と呼ばれるよう頑張って欲しいと切に願うものである。今日はよく頑張ったよ。ありがとう!シアトルブリッジ

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