シアトルブリッジ「がんばる記」
2000年1月23日(日) 第7回平安ステークス(G3) サラ系5歳以上 オープン
第1回京都8日目 第11レース (ダ1,800m) 雨 不良
出走馬
馬 | 質 | 馬名 | 性 | 齢 | 騎手 | 斤量 | 厩舎 | 前走 |
1 | 差 | バトルライン | 牡 | 8 | 藤田 | 57 | (栗)松田博 | 東京 1/31 フェブラリーS 藤田57 ダ16 8/16 500 |
2 | 差 | ダイアモンドコア | 牝 | 6 | 佐々竹 | 54 | (川)佐々国 | 大井12/29 東京大賞典 佐々竹55 ダ20 14/16 464 |
3 | 先 | シアトルブリッジ | 牝 | 5 | 柿元 | 53 | (栗)五十嵐 | 京都11/28 花園S1600 柿元53 ダ18 1/16 466 |
4 | 追 | ゴールドティアラ | 牝 | 5 | 武豊 | 54 | (栗)松田国 | 阪神12/11 シリウスS 武豊54 ダ14 1/16 458 |
5 | 追 | ウイングアロー | 牡 | 6 | 河内 | 58 | (栗)工藤 | 浦和12/15 浦和記念 菊沢仁55 ダ20 2/9 460 |
6 | 差 | サンエムキング | 牡 | 9 | 小島 | 56 | (栗)松田正 | 中山 1/9 ガーネットS 中館56 ダ12 13/14 476 |
7 | 追 | スギノキューティー | 牝 | 6 | 石橋 | 55 | (栗)浅見 | 阪神12/19阪神牝馬特別 石橋55 芝16 14/16 458 |
8 | 逃 | マイターン | 牡 | 6 | 橋本美 | 58 | (栗)宮 | 小倉12/5 東海ウS 橋本美56 ダ24 1/12 528 |
9 | 差 | セイエイツートップ | 牡 | 7 | 坂井薫 | 56 | (笠)岩崎 | 浦和12/15 浦和記念 安藤勝56 ダ20 8/9 474 |
10 | 逃 | チェイスチェイス | 牡 | 7 | 向山 | 56 | (新)津野 | 三条 1/3 迎春賞 向山54 ダ17 1/10 550 |
11 | 差 | タガノサイレンス | 牡 | 8 | 松永幹 | 56 | (栗)橋本 | 阪神12/11 シリウスS 松永幹54 ダ14 2/16 482 |
12 | 追 | セイントリファール | 牡 | 8 | 高橋亮 | 56 | (栗)大久正 | 福島7/11 七夕賞 橋本広57 芝20 3/16 458 |
13 | 先 | オースミジェット | 牡 | 7 | 四位 | 57 | (栗)白井 | 大井12/29 東京大賞典 四位57 ダ20 8/16 525 |
14 | 差 | ホッコービューティ | 牝 | 7 | 福永 | 54 | (栗)橋本 | 阪神12/12 ポートアイランドS 熊沢53 芝16 8/12 482 |
15 | 差 | デピュティーアイス | 牡 | 6 | サンダ | 56 | (栗)松田博 | 中山12/12 ディセンバーS 藤田56 芝20 10/11 464 |
16 | 先 | ナモンレグラス | 牡 | 7 | デムー | 56 | (美)二ノ宮 | 小倉12/5 東海ウS 菊沢徳56 ダ24 10/12 514 |
前走、ダート馬の登竜門、京都花園ステークスを楽に勝ちあがったシアトルブリッジ。余りの楽勝に喜びを通り越して、これは大変なことになったと、久々のオープン馬の誕生にかえって戸惑いを感じるほどであった。約2ヶ月ぶりのオープン初挑戦は、東京のG1フェブラリーステークスの前哨戦、平安ステークスである。距離適性から適鞍がなかったためか、ここまで出走が延びてしまったのは致仕方ない。ここ平安ステークスと2/3大井のTCK女王盃、両睨みで登録があったが、厩舎サイドの決断で平安ステークスに決まったようだ。情報によれば、中間外傷で一頓挫あったとのことだが、1日の休みだけで大したものではなかったようである。ともあれ、出走するからには万全の状態であろう。レースが楽しみである。
さすがに、G3ともなるとグリ−ンチャンネルで調教の様子を流してくれる。グリーンチャンネル調教ビデオで新井昭二牧場産駒を見たのはミヤシロブルボン以来である。と、張り切って水曜の追いきりを見て、愕然としてしまった。なんと、しまいバタバタ、騎手のムチに反応せず、イヤイヤをしているではないか。最後の上がり、1ハロン16秒台である。グリーンチャンネル調教で、こんなタイムは今まで見たことが無かった。ショックでその日は、寝られなかった...
翌日、意気消沈しながらも気力を振り絞って「トレセンリポート」を視聴。ここで、シアトルブリッジの柿元騎手が登場し、「今日の調教は、僕のミスです。向こう正面で掛かって行ってしまい、最後は脚が上がってしまいました。でも、全体としては満足のいく調教でした。心配はありません」と、にこやかに(?)インタビューに答える。そうなのかなあ、心配だ...筆者は今回もテレビ観戦。牧場も忙しくて競馬場へ行けず、テレビ観戦とのこと。事前に牧場と連絡したところ、やはり調教を見ていたようで、心配だらけだそうだ。
人気はシアトルブリッジと同枠、ゴールドティアラ。ダート4戦4勝、うち重賞2勝。明け5歳ダート最強馬との評価はは妥当なところで、1番人気。続く2番人気はディフェンディングチャンピオン、昨年の平安S勝ち馬オースミジェット。京都の軽いダートがお手の物で、むしろこちらの方が強いのでは?前走、東京大賞典8着は、大井の深い砂に捕まったもので、京都に変わって不安無し。次いで、前走浦和記念で復調のきっかけをつかんだかウイングアロー。この馬、4歳ダート3冠は惜しくも逃したものの、根強いファンに支持されている。以下、小倉の東海ウインターステークスの覇者マイターン、新潟の大型馬チェイスチェイスと続く。個人的には、私このチェイスチェイスが好きなのです(^^; 我がシアトルブリッジは、6番人気。前3走の勝ちっぷりに魅力があっても、調教ビデオを見てしまうと、この人気は致し方ないところか。以下、デピュティーアイス、シリウスS2着のタガノサイレンス、ナモンレグラス、ホッコービューティと10番人気まで。
レースは朝からの雨で1レース良で始まったものの、降り続く雨で次第に悪化。メイン11Rの頃には、水が浮く不良馬場となった。レースは速くなりそうだ。シアトルブリッジは以前、レースでは良でしか走ったことが無いはず。新井昭二牧場の馬が重・不良馬場で沈んでいくのを何度も見ている筆者はさらに不安がつのるのであった。
そんな不安もどこ吹く風。レースは容赦無く始まる。スターターの合図で各馬、ゲートイン、スタート。スタートで、逃げたい8マイターンが出遅れる。3シアトルブリッジは好スタートを切るが、直ぐに控える。正面スタンド前の先行争いは、6サンエムキングが1歩リード。直後を13オースミジェット、14ホッコービューティ、16ナモンレグラスが差もなく追走、4頭で1コーナーへ。3シアトルブリッジはその4頭を見ながら最内、ラチ沿いを追走。前馬のドロにひるむこと無く、しっかりと走っている。外の15デピュティーアイスと前を追う体勢。人気の4ゴールドティアラ、5ウイングアローは最後方。10チェイスチェイスが第2集団のすぐ後ろという展開に。2コーナーで6サンエムキングが後続を離しにかかる。3シアトルブリッジもしっかり付いて行き、第2集団から抜け出し、単独4番手に上がる。
向こう正面で、6サンエムキングがさらに後続を離しにかかり1馬身半の差。しかし、13オースミジェット、16ナモンレグラスが離れずついて行く、3シアトルブリッジも、内ラチ沿いを1馬身差で楽に追走、3番手に上がる勢い。レースは千米、60.1秒とハイペースである。 ペースは先行有利と見て取った四位騎手鞍上の13オースミジェットが3コーナーを回ってするすると先頭を伺い、最終コーナーへ。6サンエムキングとの差が一気に詰まる。最内を3シアトルブリッジ、外に15デピュティーアイス。人気の4ゴールドティアラ、5ウイングアローはなおも後方のまま。
4コーナーを回って正面に向いたところで、柿元騎手が3シアトルブリッジを13オースミジェットの直後、上手い具合に外に出す。なかなか上手いじゃないか!直線を向いて3シアトルブリッジが13オースミジェットに並びかける。残り300m、がんばれ!と力が入る。一旦、13オースミジェットに並びかけて交わすかと思ったが、そこから脚色が伸びない。13オースミジェットは2枚腰を使って残り200mで3シアトルブリッジを突き放す勢い。一方、遥か後ろから4ゴールドティアラが矢のような鬼脚で追い込んでくる。危ない!がんばれ!
結局、底力を発揮した13オースミジェットが3シアトルブリッジを2馬身離して1着。3シアトルブリッジはかろうじて4ゴールドティアラの追撃を3/4馬身差押さえて2着であった。3着4ゴールドティアラは今日の馬場で終始後方での待機策が裏目と出てしまった。前日、鞍上武豊騎手が挫骨神経痛で、レースを途中リタイアした影響があったのか否か?4着はそつ無く乗った15デピュティーアイス、5着は3着馬と一緒に追い込んできた5ウイングアローであった。
レース結果
順 馬 馬名 体重 増減 タイム/差 1 13 オースミジェット 528 +3 1.49.9 2 3 シアトルブリッジ 468 +2 2 3 4 ゴールドティアラ 462 +4 3/4 4 15 デピュティーアイス 476 +12 クビ 5 5 ウイングアロー 474 +14 1・1/4 6 11 タガノサイレンス 486 +4 1・1/4 7 6 サンエムキング 480 +4 クビ 8 7 スギノキューティー 458 0 3/4 9 16 ナモンレグラス 518 +40 クビ 10 10 チェイスチェイス 530 -20 ハナ 11 2 ダイアモンドコア 470 +6 クビ 12 1 バトルライン 496 -4 クビ 13 9 セイエイツートップ 490 +16 3・1/2 14 8 マイターン 532 +4 7 15 14 ホッコービューティ 480 -2 ハナ 16 12 セイントリファール 464 +6 8
初の重賞、錚々たるメンバーの中での2着は勝ったも同然の評価をしてよいだろう。調教であれだけバタバタしても、きっちり良いレースをしてくれるシアトルブリッジには頭が下がる。経験を積んだ次回は、フェブラリーステークスか?賞金を積んだものの、出られるかどうかは分からないが、きっと次も良いレースをしてくれると信じている。勝利の美酒は、すなわち重賞の勝ち星である。
注)GreenChannelのTV映像をお借りしました。改めて、お礼申し上げます。