アトラスエース「がんばる記」

1999年6月12日(土) 開設30周年記念 大風神賞 サラ系C級
第2回足利2日目 第8レース(ダ1,900m) 晴れ 良

出走馬

馬名 騎手 斤量 厩舎 前走
1 ミサトラッキーオー 6 三上智 55 (足)早川実 宇都5/06 C1幸の湖賞 平沢則 53 ダ15 5着 483
2 ムサシクリエス 8 大木義 55 (足)稲村友 宇都5/30 C1幸の湖賞 大木義 54 ダ15 3着 452
3 ハセカツイン 7 佐川久 55 (高)佐藤正 宇都5/29 B3特別 大島計 54 ダ16 8着 438
4 トキノギャラクシー 7 野澤憲 55 (宇)人見鉄 宇都5/29 B3特別 野澤憲 54 ダ16 7着 441
5 ローズブリード 6 高橋和 55 (足)手恊ウ 宇都5/30 C1幸の湖賞 青木秀 55 ダ15 4着 473
6 キタノギャロップ 6 小野三 55 (足)川原実 宇都5/30 C1幸の湖賞 小野三 54 ダ15 1着 495
7 リードスキャット 5 鈴木正 55 (宇)中村和 宇都5/29 B3特別 鈴木正 54 ダ16 1着 466
8 アトラスエース 5 早川順 55 (足)日野啓 宇都5/29 B3特別 加藤和 54 ダ16 3着 476
9 スーパーフラッシュ 6 福原好 55 (高)法理勝 高崎5/15 碓氷峠特別 福原好 55 ダ15 2着 485
10 マルブンレディー 6 古澤泰 54 (宇)小出雄 宇都5/29 B3特別 古澤泰 53 ダ16 2着 483

足利競馬場開設30周年記念として従来の風神賞改め”大風神賞”と称したこのレース、高崎からの遠征馬を2頭招き、ダートのクラシックディスタンス2000mに限りなく近い1900mの距離はアトラスエースにとっては願っても無い距離。おまけに、馬場が合う足利競馬場と、条件は揃った。きっちり勝ってB級に昇格したいもの。相手は、ここ4連勝のリードスキャットのみ。前走の屈辱を晴らす意味でも、この距離では負けられない。前へ前への競馬で力を見せ付けてやれ!

パドックでのアトラスエースはいつもと変わらない様子。良く言えば落ち着いている、悪く見れば覇気が無い。後ろのスーパーフラッシュ2番人気が外目を元気良く歩くのに比べ、アトラスエースはパドックの内側をシズシズと歩いている。やはりこれでは指示が集まらないのかアトラスエースは3番人気。しかし、スーパーフラッシュは既に発汗が甚だしく、この時点でレースは終わっている印象。

1番人気のリードスキャットは、好調4連勝。前走でアトラスエースに土を付けている。初めて見るのだが何だかこじんまりとしてそれ程迫力が無い。むしろ、しっぽを頻りに振って落着かない様子。これなら、そんなに恐くないというのが偽らざる印象。しかし、鞍上は先日、園田楠賞でホマレスターライツにより4歳アラブの全国制覇を成し遂げた鈴木正騎手。あなどれない。前の7レースでも良血クラノコウテイで好位抜け出しの強い競馬をしている。

騎手騎乗。アトラスエースはいつもと変わらない様子で、騎手が騎乗すると適度に気合いが乗る。馬場入り後、右回りで軽く3/4周ギャロップで返し馬。直ぐに輪乗りの日陰エリアに入る。今日は朝から30度に迫る夏のような暑さである。無理することはない。馬券発売終了のブザーが場内にこだますと、はるか3コーナーの輪乗り場から、スタンド前に1騎が走って来る。何と、アトラスエースである。「スタート直前に気合を付けて、前に行かせる作戦か?」と、内心、騎手を誉める筆者であった。

直線の叩き合い最終コーナーを回って3番手レーススタート。ハナを切ったのは、5ローズブリード、7リードスキャット、2ムサシクリエス。以下、9スーパーフラッシュ、8アトラスエースと続き、8アトラスエースは5番手につける。5番手といっても、第1集団の後ろにピッタリ付いて、先頭とは3馬身もない。今日は、積極的に前に出ている。

1周目の正面スタンド前では、9スーパーフラッシュが前に出て3番手に。8アトラスエースは依然として差の無い4〜5番手。そのまま、1、2コーナーを通過。向こう正面から3コーナーにかけて8アトラスエースが徐々に進出。5ローズブリード、7リードスキャットに続いて3番手に上がる。外側をまくる作戦は相変わらず。

最終4コーナーを回ったところで内から5ローズブリード、7リードスキャットが合わせ馬。その外側に8アトラスエースが並びかける。ここから、3頭の叩き合い。5ローズブリードは直ぐに脱落。残った2頭の脚色では8アトラスエースが断然。ゴール前、7リードスキャットを並ぶ間もなく一気に差し切って、1馬身差で7リードスキャットにリベンジ!。3着は2ムサシクリエスが、5ローズブリードを捕まえて先着。2番人気の9スーパーフラッシュは、やはり入れ込みが全てであったようだ。

レース結果ゴール直前、余裕でした

馬名 体重 タイム/差
1 8 アトラスエース -2 2.04.9
2 7 リードスキャット 0 1
3 2 ムサシクリエス +1 2
4 5 ローズブリード +1 1・1/2
5 4 トキノギャラクシー -2 1/2
6 1 ミサトラッキーオー +3 1
7 9 スーパーフラッシュ +1 クビ
8 10 マルブンレディー +1 4
9 3 ハセカツイン -1 2
10 6 キタノギャロップ -2 クビ

レース後、洗い場にてレース後、アトラスエースの日野啓二厩舎を訪問。 今回の優勝で、晴れてB級に昇格とのこと。めでたしめでたし。夏場に向け、今後は月1程度のペースに落としてレースを使うとのこと。まるで休養してもガタが来るので、とは厩務員さんの弁。また、「アトラスエースは賢くて、短い距離だと嫌がってレースでは後ろに下がるくせに、長い距離のレースになると、今日のように前に行くのだよ。」と笑って、話された。それなら、短いレースでも「今日は1900だよと耳打ちすればどうですか」と、笑い話になった。でも、もしかしてスタート位置で既に距離が分かっているのかな?
いずれにしても、今後もポンポンと勝って、A級に早く昇格して欲しいもの。それができる素質は持っているはず。

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