アトラスエース「がんばる記」

1999年4月3日(土) タンポポ特別 サラ系B3C1
第1回宇都宮1日目 第9レース(ダ1,500m) 晴 良

出走馬

馬名 騎手 斤量 厩舎 前走
1 ミサトラッキーオー 6 高橋和 53 (足)早川実 宇3/21 B3,C1特別 野澤憲 54 ダ16 6着 485
2 カミナリボーイ 8 大島計 55 (宇)平石四 宇3/20 B3特別 大島計 55 ダ15 11着 437
3 マイネルキャニオン 6 岡田康 55 (足)早川長 宇3/21 B3,C1特別 岡田康 55 ダ16 10着 483
4 ジャングルリバー 5 山田博 54 (宇)花塚進 宇3/25 C1 内田利 55 ダ15 2着 449
5 クラノコウテイ 5 鈴木正 54 (宇)中村憲 宇3/25 C1 鈴木正 55 ダ15 1着 484
6 ムサシクリエス 8 大木義 55 (足)稲村友 宇3/21 B3,C1特別 大木義 55 ダ16 7着 458
7 モリユウセブン 8 青木秀 54 (足)長島康 宇3/21 B3,C1特別 佐々木 54 ダ16 5着 487
8 イナリキーマン 6 三上智 55 (宇)丸山定 宇3/21 B3,C1特別 内田利 55 ダ16 4着 478
9 トチノリズム 7 藤本靖 54 (宇)清水久 宇3/25 C1 青木秀 54 ダ15 4着 487
10 アトラスエース 5 早川順 54 (足)日野啓 宇3/21 B3,C1特別 加藤和 54 ダ16 2着 480
11 ウエストシャトー 6 野澤憲 54 (宇)丸山定 宇3/25 C1 野澤憲 54 ダ15 3着 438

前走3/21のB3C1級の特別レースでは、雨の中鋭い差し脚で2着と好走したアトラスエース。出走メンバーの顔ぶれも、3分の2は前回と変わらない。この中で、このところトントンと勝ち上がってきた、5クラノコウテイが充実ぶりから1番人気。5クラノコウテイは4/7の船橋マリーンカップに登録のある(脚部不安で回避)、牝馬ナスノステージワンの全弟であり、素質は折り紙付きである。これに次いでアトラスエースは2番人気である。以下、好調1ミサトラッキーオー、道営からの移籍馬でスピードが魅力の4ジャングルリバーが続く。あとは、届かないと見た。今回は、また100m短くなって1500m。距離が短いのが不安ではある。

パドック(早川順一騎手)パドック。あいかわらずアトラスエースは落ち着いてもの静かに周回をしている。前走から中1週であるが、状態は変わりなさそう。体重も-2kgと変動はない。中1週のレースは地方馬の宿命。月に2度程度のローテーションで番組が組まれているので、勝ち上がっていかなければ自ずと月に2度のレース間隔になる。調教師さんがいみじくもおっしゃられていたが、地方競馬は賞金が安いのでドンドン勝たなければ、いつまでも下級クラスでハードに使われてしまうそうだ。当たり前だが強くなる事が、楽になる事。アトラスエースにもがんばって欲しいと願うだけだ。他の馬では、やはり5クラノコウテイが強そう。青鹿毛の馬体は肢が長く、胴が若干長めで、引き締まっている。短距離で勝ち上がってきているが、長めでも走れそうな馬体。右目の半白はギロリとして他の馬を威圧しているよう。1ミサトラッキーオー、4ジャングルリバーも良い馬体をしている。やはりこのクラスになると馬のできが違う感じである。

騎手騎乗。今回は手が戻って、早川順一騎手である。騎手が跨ると、アトラスエースの様子が一変した。小刻みに脚を踏み込み、例の横歩きをパドック出口から始め出した。いやあ、気合いが乗ってますよ今日は。馬場入場から返し馬。いつも通り、約半周を速歩(はやあし)で行き、向こう流しで軽く駈歩(かけあし)を始めて、スタート地点で返し馬終了。

4コーナー出口ゴール(差されちゃった)!レース開始。1500mのスタートは4コーナーから。やはり、見た目も外枠が不利に見える。スタートは全馬きれいにスタート。早川騎手も前に行きたいのであろう、スタート直後、出ムチを入れる。それでも、アトラスエース、前に行けないで6−7番手である。1コーナー回ったところでは、前の5−6頭から離された2番手グループの先頭を行く。先頭は4ジャングルリバー、5クラノコウテイ、2カミナリボーイの順で、いわゆるダンゴ状態。向こう流しでアトラスエースは徐々に進出してきた。いつものパターンである。3コーナー入り口から俄然と前に追いつくべく脚を使う。はやくも3コーナーを回った所では3番手になった。3馬身程前では、4、5が張り合っている。4コーナーを回って正面を向いた所で、5クラノコウテイが抜け出した。4ジャングルリバーは騎手が必死にムチを入れるが、徐々に後退。アトラスエースは2番手に上がって、なおも前に迫ろうとする。しかし、5クラノコウテイの鈴木正騎手も1−2馬身前で必死に追っている。ゴールまでこのまま追いつけないと思った瞬間、大外を1ミサトラッキーオーが怒涛の追い込みを見せてアトラスエースを差し切ってしまった。なんと、1ミサトラッキーオーは道中死んだふり、シンガリからの追い込みであった。いずれにしても、5クラノコウテイは評判通りの強い勝ち方であった。

 

桜満(いえ、半)開のもとレース結果

馬名 体重 タイム/差
1 5 クラノコウテイ -3 1.37.9
2 1 ミサトラッキーオー -4 1・1/2
3 10 アトラスエース -2 アタマ
4 9 トチノリズム -2 1/2
5 11 ウエストシャトー -8 1
6 7 モリユウセブン -4 2・1/2
7 4 ジャングルリバー -3 3/4
8 8 イナリキーマン -5 4
9 6 ムサシクリエス -2 3
10 2 カミナリボーイ +3 1/2
11 3 マイネルキャニオン 0 2

いつも同じようなパターンで、いま一歩届かない。所謂、勝ち身が遅いと言うのだろうか。今回1500mと短距離だけに、もう少し前に行く事はできなかったのか。1着馬とは位置取りの差だけ、追いつけなかったわけである。さらに、3コーナー手前から脚を使って最後まで持たせるのは難しいのでは。アトラスエースが長く良い脚を使えると言っても、さすがにがに5-600mではバテるだろう。今回、シンガリで我慢してゴール前、あきれた差し足で2着に食い込んだ1ミサトラッキーオーのレース振りが光った。

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