アトラスエース「がんばる記」
1999年3月21日(日) 特別 サラ系B3C1
第18回宇都宮2日目 第8レース(ダ1,600m) 小雨 不良
出走馬
馬 | 質 | 馬名 | 性 | 齢 | 騎手 | 斤量 | 厩舎 | 前走 |
1 | 先 | マダムハット | 牝 | 8 | 山口竜 | 54 | (足)松代仁 | 宇2/25 B2,3特別 早川順 54 ダ15 11着 433 |
2 | 自 | アトラスエース | 牡 | 5 | 加藤和 | 54 | (足)日野啓 | 足3/11 C級 早川順 55 ダ18 1着 478 |
3 | 差 | マイネルキャニオン | 牡 | 6 | 岡田康 | 55 | (足)早川長 | 足3/08 B3C1選抜 岡田康 55 ダ17 9着 485 |
4 | 自 | ナポレオンナポリ | 牡 | 5 | 三上智 | 55 | (足)岩渕義 | 足3/06 B2,3特別 三上智 53 ダ18 7着 476 |
5 | 先 | モリユウセブン | 牝 | 8 | 佐々木 | 54 | (足)長島康 | 足3/08 B3C1選抜 佐々木 54 ダ17 8着 486 |
6 | 先 | イナリキーマン | 牡 | 6 | 内田利 | 55 | (宇)丸山定 | 宇2/24 B3特別 長島茂 54 ダ15 10着 480 |
7 | 自 | ミサトラッキーオー | 牡 | 6 | 高橋和 | 54 | (足)早川実 | 足3/08 B3C1選抜 高橋和 53 ダ17 1着 487 |
8 | 自 | スーパーボールド | 牡 | 5 | 青木秀 | 55 | (宇)清水久 | 足3/08 B3C1選抜 藤本靖 54 ダ17 4着 442 |
9 | 先 | アサヒジーンズ | 牡 | 7 | 早川順 | 54 | (足)早川行 | 足3/08 B3C1選抜 早川順 54 ダ17 2着 495 |
10 | 自 | ムサシクリエス | 牡 | 8 | 大木義 | 55 | (足)稲村友 | 宇2/24 B3特別 大木義 54 ダ15 6着 453 |
3/11のC1級のレースでは、中段を追走し、ゴール前差し切って12月以来の見事な勝利を飾ったアトラスエース。ここらでC級を卒業して、クラスを上げたいところ。わずか10日で次のレースに登録してきたのは、その意志の現れか。アトラスエースは足利では(3 4 2 4)と堅実だが、宇都宮では(1 3 6 12)と良績を残せていないのが、気がかりといえば気がかりである。
人気を集めるに違いないのは9番アサヒジーンズ。1/17のC級レースで1着。その後も2着を2度続け、最近、このクラスでは上位の成績をあげている。アトラスエースは、そのレースで3着。勝負付けが済んでいるとは思わないが、強敵ではある。その、アサヒジーンズに前走、差の無い1着であったミサトラッキーオーは、直線での追い込み力が素晴らしく、前走がフロックでないことを証明したいところ。スーパーボールドはアトラスエースと同じく5歳で、クラスも同じ。短い距離で堅実な走りを見せている。あとは、上位クラスのB1B2で揉まれているマダムハットの力を侮ることができない。主戦早川順一騎手は自厩舎のアサヒジーンズに騎乗のため、今回は、アトラスエースには加藤和博騎手が騎乗。加藤和博騎手は以前にもアトラスエースに騎乗しているため、特徴は熟知しているはず。前日からの雨により、当日の馬場は不良が予測されること、距離が1600mと短いことが不安材料である。
当日は、朝から曇り空。夕方には雨が降りだすとの天気予報で、馬場は不良のまま回復する見込みはない。1レースから馬も騎手も泥まみれで奮闘している。駐車場から競馬場の建物に行く途中、レースが終わった馬が道路を横断していた。泥を頭から胸まで真っ白にかぶって、とんでもない日だと嘆いているようであった。アトラスエースの出る8レースは出走時刻14:35。1レース直後に競馬場に到着したため、3時間以上の待ち時間。ゆっくりレースを観戦できた。やはり馬場が悪いため、先行馬が有利のようだ。内側の馬場には水が浮いているが、そこを通った馬がよい成績をあげている。外側のやや水気の少ない所を上がってきても、届かないようだ。アトラスエースも今日は先行しないと勝ち目はない。
パドック。いつものようにアトラスエースは落ち着いて周回している。体重は+2kgと変化なし。若干前足が突っ張っているかなと最初は思ったが、周回を重ねてそれも解消。毛艶も良く、今日は万全の仕上がりと見た。人気は9アサヒジーンズが断然。2番人気は8スーパーボールド、アトラスエースは3番人気。以下、1マダムハット、7ミサトラッキーオーと続く。面白いのは締め切り10分前まで複勝が2アトラスエースと9だけ売れていたこと。2が約10枚、9が約200枚。「これで9が飛んだら20倍つくのかなあ」と、皮算用をしてしまった。しばらく複勝は売れなかったが、それでも徐々に売れ出した。今日は加藤和博騎手が騎乗する。中央に同姓同名(字は違う)の騎手がいるので、お年の方かと思ったら、若いですね。ごめんなさい、失礼しました。
馬場入り後は、お約束のかに歩きを披露して、小首をかしげながら速足で約半周。そこから軽くギャロップで出発地点まで返し馬。この頃から、雨が若干強く降り始めた。アトラスエースの過去の成績を見ると、重馬場ではあまり好成績を残していないので、雨よ降るなと祈るばかりであった。レースは、3、4コーナの中間地点からである。スタートして直ぐカーブなので内側が有利といえばそういえる。
レーススタート。2アトラスエースは好スタート。8スーパーボールド、9アサヒジーンズ、1マダムハットが直ぐに先頭集団を形成し雁行。2アトラスエースも3頭の仲間に入るが、直後の4番手につける(下左)。前の馬の泥をあびているが、ひるむ様子はない。「よし!好位につけた。いいぞ」。このまま、スタンド前を通過。向こう流しが終わったあたりから、2アトラスエースが3番手に上がってくる。3コーナーに入ったところで完全に3番手。1はここで、ずるずる後退し、完全に脱落。2アトラスエースは尚も脚を使って、8、9の外に並びかけてくる。4コーナーを回ったところでは、8が2馬身前、9が1馬身くらい前(下中)。ここから、2アトラスエースは怒涛の追い上げを見せる。「いけ!アトラスエース」と思わず声が。9をかわした!あとは8だ!!!加藤騎手も鞭をふるってアトラスエースと一緒にがんばる!鋭く追い込んだのだが、3/4馬身に追いついたところが、ゴール(下右)。残念。
レース結果
順 馬 馬名 体重 タイム/差 1 8 スーパーボールド -2 1.43.9 2 2 アトラスエース +2 3/4 3 9 アサヒジーンズ +3 2 4 6 イナリキーマン -2 5 5 5 モリユウセブン +1 1・1/2 6 7 ミサトラッキーオー -2 1 7 10 ムサシクリエス +5 1・1/2 8 4 ナポレオンナポリ -6 4 9 1 マダムハット +4 1 10 3 マイネルキャニオン -2 6
距離が短いこと、道悪、と不安材料が多かったものの、おそらくメンバー中1番の上がりの脚を使ったと思う。道悪とはいえ参考レコード1分45.8秒を大幅に更新するレコードで1着馬に走られては、2着にがんばったことを評価し過ぎることはない。今日もよいレースを見せてもらった。ありがとうアトラスエース。次は、1着の勇姿を見せて頂戴ね(^_^)。