サテライトシャルカ「がんばる記」

1999年9月23日(木) 3歳新馬 サラ3歳
第11回大井5日目 第2レース (ダ1,000m) 晴れ 稍重

出走馬

馬名 騎手 斤量 厩舎 前走
1 ハッピーレストラン 3 内田博 53 (大井)赤嶺 大井9/12 能試 内田博 ダ8 52.8 5/5
2 マイニンハット 3 鈴木啓 53 (大井)赤間 大井6/27 能試 鈴木啓 ダ8 53.1 2/6
3 サンキョウコゾウ 3 川本 53 (大井)高岩孝 大井8/26 能試 川本 ダ8 52.2 2/5
4 ヴェスタアミー 3 宮浦 53 (大井)秋吉 大井9/12 能試 宮浦 ダ8 52.4 4/4
5 パーフェクトマンボ 3 松浦 53 (大井)松浦 大井7/25 能試 松浦 ダ8 51.8 6/6
6 サテライトシャルカ 3 ☆戸崎 52 (大井)香取 大井9/12 能試 戸崎 ダ8 51.2 3/5
7 カネショウレパード 3 達城 53 (大井)高岩隆 大井9/12 能試 達城 ダ8 52.7 5/6
8 アオイパーマー 3 納谷 53 (大井)菅原 大井9/12 能試 納谷 ダ8 52.0 3/4
9 エスティーシーズン 3 佐藤祐 53 (小林)大山二 大井9/12 能試 佐藤祐 ダ8 52.1 3/6
10 テッケンドリーム 3 的場文 53 (大井)渡部則 大井8/26 能試 的場文 ダ8 52.3 4/5

サテライト軍団の3歳1番星、サテライトシャルカの新馬デビューが9/23に決まったと、馬主さんから連絡があったのは前々日。能試でも3歳で3番目のタイムを出していると、期待大の様子。これは、早速応援に行かなくては。しかし、サテライトシャルカは牧場では、馬嫌いで孤独な雰囲気、おまけに性格が悪くて良いところなしと思われていたのだが、ちゃんと競走馬としてやって行けるのかと心配ではある。

当日、早目に大井競馬場に到着。初対面の香取調教師に連絡を入れて、レース前のサテライトシャルカに会わせてもらう。レース前の忙しい時に伺っても、いやな顔ひとつせず対応してくれた。さて、サテライトシャルカに会って、ビックリ。1年前の風貌(もちろん、顔つきは変わらない)とは見違えるように立派になっている。2歳時は、馬体は黒鹿毛に近く、たてがみは日に焼けてチャパツになっていたのが、普通の鹿毛で黒髪なのである。おまけに馬体も大きくなって490kgもあるそうだ。いやあ、ビックリ。こんなにも馬って変わるものか。両目の白目は相変わらずだが、これも走る気満々に見えて、かえって頼もしいくらいである。

厩務員は藤原さん。ニコニコしてこれまた、サテライトシャルカを良く可愛がっていただいている様子。「この仔はねえ。普段はおとなしいんだけど、一旦ヘソを曲げると大変なんですよ。私なんか何度も殺されそうになりました。やっと最近、顔を拭かせてくれるようになりました」とレース前の身だしなみを整えながら、笑って話す。入厩して、約2ヶ月。順調に調教もやってこれたとは香取調教師の言。「ほんとに、この仔はガンコというか気難しいよ。あんちゃん(戸崎騎手)は調教で2度も落っことされたからね」。そうですか、と冷や汗を流しながら、うなずくしかなかった。

返し馬パドック:戸崎騎手レース前である。邪魔をしてはいけない。ここで、二人と別れてパドックへ。丁度1レースのパドックが始まったところであったので、しばし待機。
2レースのパドック開始。サテライトシャルカは2人引き。もちろん一人は藤原厩務員である。パドックの内側をゆっくり歩いている。私の偽らざる印象は、「元気が無いなあ」である。これを落ち着きと取るか、覇気が無いと取るかは難しいところ。結果が全てを物語る?しかし、昨日までの涼しさから一転暑くなった今日のような日に汗もかかずに泰然としているのは良いことか。1番の馬など入れ込みまくって汗ダラダラである。しかし、このレースの馬たちのよくボロをすること。あちこちで、パドック周回が止まって、パドックはボロだらけとなった。やはり新馬戦だからか。もちろん、サテライトシャルカもやりました。

人気は10テッケンドリーム。兄ブルーファミリーの威光か、最終的には2倍を切っていたと思う。鞍上的場文というのも心強い。続いて、我がサテライトシャルカが6倍弱で2番人気。 以下、人気はずっと離れて8アオイパーマー、2マイニンハット、5パーフェクトマンボが続く。騎手は、1kg減量の若い戸崎騎手。調教でもサテライトシャルカに乗っているので性格は熟知しているであろう。馬場入りは落ち着いて、何の問題も無し。返し馬も正面スタンド前をさっそうと通り過ぎていった。いよいよ、期待は高まる一方。

1着ゴール直線抜け出すレースは、新馬戦1000mの短距離。スタートが鍵。スターターの合図で、輪乗りからゲート入り。ここで、サテライトシャルカは気難しさを出してきた。騎手が押しても、いやがってゲートに入ろうとしない。1分くらいはイヤイヤをしていただろうか。私は、厩務員さんの「へそを曲げると...」の言葉を聞いていたので、苦笑い。しかし、笑い事ではない。ようやく騎手がしっぽを引っ張って、なんとか枠に入った。さあ、レーススタート。

ゲートが開いた。3サンキョウコゾウが好スタートを切る。先行争いの、どさくさの中で1番人気の10テッケンドリームが落馬、競走中止。1番人気だけに、場内騒然とする。2マイニンハットが、直ぐに先頭に立ち、その外側を6サテライトシャルカが続く。先頭に踊り出る勢いだが、ここは押さえている。3サンキョウコゾウは3番手に後退。

3コーナーでは2マイニンハット、6サテライトシャルカが先行。第2集団は3馬身おくれて追走。4コーナーを周って、内2マイニンハット、すぐ外を6サテライトシャルカが追う。6サテライトシャルカの手応えは十分。残り約250mで戸崎騎手、後ろを振り返る余裕である。残り200mで、ちょっと気合をつける。あとは6サテライトシャルカと2マイニンハットの合わせ馬。余裕の体勢で6サテライトシャルカが2馬身半先着。ゴール前、1発ムチを入れただけの完勝。3着は、直線よれながらも追い込んだ7カネショウレパード

レース結果レース後のクールダウン。藤原厩務員

馬名 体重 増減 タイム/差
1 6 サテライトシャルカ 486 - 1.03.6
2 2 マイニンハット 478 - 2・1/2
3 7 カネショウレパード 459 - 3
4 4 ヴェスタアミー 483 - ハナ
5 3 サンキョウコゾウ 495 - 2
6 5 パーフェクトマンボ 441 - 1/2
7 8 アオイパーマー 457 - 2
8 9 エスティーシーズン 465 - 1・1/2
9 1 ハッピーレストラン 435 - 2
  10 テッケンドリーム 493 - 落馬中止

レースはサテライトシャルカが余裕の1着。まだまだ、成長が望めるレース振りであった。香取調教師は、レース後、「応援に来てくれる人がいて、プレッシャーがあったけど、ほんとに勝ててよかったあ」と胸をなで下ろしていた。次走は、未定だが3歳特別戦とのこと。この調子なら、来月には直ぐに出走できるのでは。また、応援にいかなくっちゃ。

後日談:オーナーの馬場氏も新馬戦を勝てたのは10年ぶりくらいとのこと。当日は、美味しい酒が飲めたでしょう。

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